-もうこづか・いまづ
【蒙古塚〜今津】
今津の丘に建つ記念碑。
今津元寇防塁の駐車場から少し南へ入った小高い丘に元寇防塁の記念碑がある。
現地案内板にしたがって「蒙古塚」と呼ぼう。
「元寇殲滅の処」と書いてある。
これは、大正五年(1916)に当時の今津村村長が発起人となり、
郷土史家の木下讃太郎氏が推進人となって建てられたものだ。(柳田純孝『元寇防塁』 「甦る中世の博多」葦書房)
今津防塁の発掘が大正二年(1913)で、当時は相当話題になったらしい。
ところで、元寇を殲滅したところ、という表現は明らかにオーバーで、
当時も元軍医の武谷水城氏が疑義を唱えて、大きな論争になったそうだ。
木下氏 「海中に碑を建てるのは無理だから、これでいいのだ」
武谷氏 「じゃあ、宗像鐘崎の山のうえに、『バルチック艦隊殲滅のところ』とでもするのかい?」
といった感じだったということだ。(柳 猛直 「福岡歴史探訪 西区編」海鳥社・・より拙者が勝手に意訳)
九十年前の論争も今はなく、記念碑には今日も毘沙門山のふもと、日の丸が翻っている。
場所 | 福岡市西区今津 |
アクセス | JR博多駅から国道202号線を西へ進む。元寇防塁探索には、古いほうの202号線が便利。 約15キロ先の「今宿」交差点から県道54号線「福岡志摩前原線」に入り、今山を通り過ぎ、 今津橋を渡る。1キロ弱先の交差点のガソリンスタンドを右折するのが、電柱に案内があり分かりやすい。 このままクネクネと行けば元寇防塁の駐車場だが、途中の丘の上に国旗があったら、そこが蒙古塚だ。 駐車場はないので、すぐ前の路上に停めよう。しかし道が狭いので、すぐに動かせるように気をつけておこう。 |